ふくしのこころ

社会福祉の基礎知識や意外と知らないこと、最近の動向などを記事にします。介護・福祉を知りたい方、福祉・ボランティアに興味のある方、福祉関係のレポートに困っている学生さんなど多くの方のお役に立てればと思います。

災害ボランティアをしたいけど・・・どうすればいいの?という方へ

 

こんにちは、「ふくしのこころ」では福祉に関するさまざまなテーマを取り上げます。

 

最近、自然災害が非常に増えていますね。

阪神淡路大震災以降、日本では、災害時には多くのボランティアが活動するようになりました。

被災地の役に立ちたい!ボランティアしてみたい!という方も多くいらっしゃるかと思います。

でもどうやってボランティアをすればよいかわからない。という方のために、今回は、災害ボランティアを行う方法や心得、留意事項についてお伝えしたいと思います。

 

①被災地のボランティアセンターのホームページを確認しましょう。

【支援したい地域がある方】

被災地といってもすべての市区町村でボランティアを募集しているわけではありません。支援ニーズはさまざまです。ボランティアを募集している場合も、「県内・市内在住のボランティアのみ」といった場合もあります。

まずは、災害ボランティアセンターのホームページやFacebookを確認してみましょう。災害ボランティアセンターは、社会福祉協議会(通称、「社協(しゃきょう)」)が運営しています。社協については、今後別の記事で紹介します。

 

【支援を求めている被災地を探したい方】

どこを支援したいという希望がない場合、全国社会福祉協議会(通称、「全社協」)が「全社協 被災地支援・災害ボランティア情報」というサイトで、各地のボランティア募集情報を更新していますので、こちらの情報を参考に、ボランティアを募集している地域を探してみましょう。

https://www.saigaivc.com/

被災地によっては、事前申込制をとっているところもあります。ホームページを確認し、申込が必要であれば、必ず申込をしておきましょう。

 

 

②衣食住を確保しましょう

被災地は、インフラが十分に復帰していなく、地域によっては食料品やガソリンなどが不足し深刻な課題となっている場合があります。

現地で大変貴重な食料品やガソリンなどをボランティアが消費することがないように、自身の食べるものやガソリンなどは十分に用意しましょう。現地でお湯がでるとも限りませんので、カップラーメンだけというのは避けた方が良いでしょう。飲料水も貴重な資源です。特に夏場のボランティアは熱中症の危険性が大変高いので、飲料水や塩分補給できるものも十分な量用意しましょう。

 

移動手段としての車の確保や泊まる場所の確保も必要です。現地でレンタカーといっても当日ではなかなか借りることはできません。自宅からマイカーで行く場合には、通行止めなどの情報を事前に確認してから出発すると良いでしょう。また、被災地に多くのマイカーが入り、交通渋滞を起こすことを避けるために、ボランティアバスを出している被災地もありますので、受付時に確認しておきましょう。その場合は、できるだけボランティアバスを利用しましょう。

宿泊に関しては、「ボランティア先の民家や避難所に泊めてもらう」なんてことはできません。特に広域でボランティアを募集している地域は、ホテルなどの営業もできていない場合がありますので、ボランティア先から少し離れた場所でホテルなどを探すと良いでしょう。車中泊で良いという方も夏場などは、暑さ対策をお忘れないようにしてください。

 

そして、ボランティア活動を行うための衣類・道具も自身で用意しましょう。

活動の種類はさまざまですが、地震・水害などの場合、がれきや泥の片付けなどが多いので、作業ができる服装に、長靴、マスク、ゴム手袋や軍手、目を保護するゴーグルなどが必須です。また、ボランティアセンターによっては、作業道具が不足している場合もありますので、スコップなどの作業道具も持っていける方は持っていくと良いでしょう。

 

ボランティア保険に加入しましょう

ボランティア活動保険とは、その名の通りボランティアの活動中の事故などのための保険です。自宅と活動場所の往復途上も補償されます。全国どこの市区町村社協でも加入することができます。任意保険ですが、ほぼ必須だと思ってください(ボランティアセンターとしても保険に入っていない方が事故にあった場合の対応に困るため加入の確認をすることがあります)。

被災地社協でも加入は可能ですが、被災地の事務負担を減らすためにも、ご自宅最寄りの社協で加入してください。

社協は、全国どこでも市区町村ごとに設置されています(社協は、福祉センターや役所のなかに設置されていることが多いです)。ご自身の在住する市区町村の社協へお問い合わせください(全社協都道府県社協で入ることはできません)。ネット上で「〇〇市社会福祉協議会」と入力すれば住所や連絡先は出てきます。大規模災害時は多く問い合わせがありますので、「ボランティア保険に入りたい」と伝えればすぐにわかるはずです。

 

ボランティア保険ですが、350500円程度で加入できます。

年度内有効なため、年度内に一度加入されている方は、再度の加入は不要です。

ちなみにこのボランティア保険は、運営上ほぼ赤字のようです。それくらいさまざまな怪我や事故のリスクがあるのが被災地のボランティアです。必ず入るようにしましょう(決して保険会社の回し者ではありません)。

 

④いざ、現地へ

いざ、現地へ赴くにあたって、「無理をしない」ことを心がけましょう。

自身の体調がすぐれない場合は、被災地の貴重な病院のベッドを埋めないためにも、無理に現地に行くことは避けましょう。体調不良のためボランティアできないことを申込先のボランティアセンターへ伝えて怒られることはまずあり得ません。現地で体調不良となった場合も同様です。過去にはボランティアが、家屋清掃中に熱中症で倒れて亡くなったケースもあります。その方や家族ももちろん、ボランティアに来てもらっていた家の持ち主である被災者にもより深い傷を負わせることになります。無理のない範囲での活動を心がけてください。

そして、ボランティアというのは、「自主的なもの」ですが、「相手のためにするもの」です。被災地・被災者の心情を第一に、「自分の考え」ではなく、「相手の考え」を優先した活動を心がけてください。

 

 

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